飛騨のさるぼぼ

「さるぼぼ」は岐阜県飛騨地方の伝統的な人形です。

飛騨弁で赤ちゃんの事を”ぼぼ”と言い、さるぼぼは猿の赤ちゃんを意味します。

真っ赤な体に黒い巾着と腹当て、ちゃんちゃんこを着た可愛らしい姿が飛騨地方のお土産屋さん等で沢山見られます。

さるぼぼの由来は諸説ありますが、約1500年前に仏教と一緒に中国から日本に伝わったとされております。

昔飛騨地方は貧しく人形を買うお金がなかった事から着物や布団のきれ端で人形を作って子供のおもちゃ代わりにしていたそうです。

つぎはぎだらけのパッチワークのような人形の為顔に目や鼻や口が書けなかったそうで、後に猿は顔は赤いとのことで赤い色になりましたが顔がないまま今に至ります。

またさるぼぼは、「さる」⇒災いが「去る」や「えん」⇒縁とかけて良縁祈願や家庭円満、安産祈願など起物がよい物とされています。

国分寺の境内へ入る入口には庚申堂があり、頭を撫でると頭がよくなり、心臓を撫でると出世できると言われる石でできた「願掛け撫でさるぼぼ」があります。

またさるぼぼの供養も行こなわれており、「満願成就の棚」には願掛けや厄払いの役目を終えたさるぼぼが沢山掛けられております。

昔は赤いさるぼぼだけでしたが、今では風水さるぼぼと称してピンクや黄色、黒などずいぶんとカラフルになり選ぶのが楽しくなりました。

飛騨高山へいらした際は縁起物としてお好きなさるぼぼをお選びいただき、願いが成就した際は是非「満願成就の棚」へさるぼぼを供養すべく再び飛騨高山へお越しいただけましたら幸いでございます。